なんとか簿記3級に合格できました！「次は何をすれば」良いのでしょう？
いいですね！せっかく勉強の習慣が付いてモチベーションが高く保てている今、どんなステップでスキルを伸ばせばよいのかを、分かりやすく解説します。
簿記3級を取得したあと、「このまま経理の仕事につながる資格を取りたい」「将来に役立つスキルを広げたい」と考える人は多いはず。
- 「次は何をすれば良いのか分からない･･･。」
- 「簿記3級を取ったけど、本当に役に立つの？」
など、簿記3級を取ったあとのステップで悩む人は少なくありません。
そんな方のために、経理・会計のキャリアに強い資格を“ロードマップ形式”でわかりやすく紹介します。
簿記3級を取ったあとのネクストステップ
経理系資格のロードマップ
慶應卒、資格マニアのシカマルのおすすめロードマップを紹介するよ！
まだ簿記3級を取得していない方は以下の記事で勉強方法を解説しています。
経理の資格ロードマップの最初は簿記2級の取得が王道です。その後目指すキャリアによって大きく3つに分かれます。
実務力を広げたい人は、ビジネス会計検定、給与計算検定など“即戦力系”資格がおすすめです。特にMOSやITパスポートなど、ビジネススキルの資格は簿記2級の前に取得するのでもOKです。
専門性を高めたい人は、税理士・公認会計士など高度資格へ進むルート。早く実務経験を積みたい場合は、簿記3級取得後に未経験から経理へ入り、働きながら必要な資格を補うルートも有効です。
目標に合わせて進むことが成功の鍵です。
簿記3級は入口です。目的に合わせてスキルを磨いていきましょう！
簿記3級の知識を土台に、より実務的な会計知識を身につける資格。
3級は“お金の流れの基礎”ですが、
2級は“会社全体のお金の動きを理解する”レベルにアップします。
特に、株式会社の会計処理や製造業の原価計算など、実務で必須の内容が盛り込まれます。
経理職の採用基準としても最も王道です。
- 企業の決算書が読めるようになる
- 実務に直結する仕訳ができる
- 原価計算や工業簿記も学べる
経理を目指すなら、最優先の資格といえます。
・オススメ度：
・難易度：
・勉強時間：約200時間
・試験日程：CBT方式で随時
・試験時間：60分
・合格基準：100点満点中70点
・受験料＋事務手数料：6,050円（税込）
・更新：必要なし
3級と比べると一気に難しくなりますが、3級の知識がしっかりしていれば十分に挑戦できます。
簿記2級を取得したら、ここから方向性が分岐します。
簿記2級を取ったあと、経理の専門性を広げたい人におすすめなのがこのルート。
実務に直結しやすく、キャリアの選択肢を自然に増やしてくれます。
おすすめは、以下の5つです。
- FP（ファイナンシャルプランナー）
- ビジネス会計検定
- 給与計算実務能力検定
- MOS（エクセル）
- ITパスポート
FPやMOS、ITパスポートの場合は簿記2級の前に取得するのでもOKです。
選択肢の広げ方にも色々な種類があるので、代表的なものを紹介します！
FP（ファイナンシャルプランナー）
「お金の専門家」として、税金・保険・投資・不動産・社会保険など幅広い知識を学ぶ資格です。
・法人税や損益の考え方がより深く理解できる。
・会社の福利厚生や従業員相談（社内FP）の役割で活かせる
・経理から総務・人事へとキャリアの幅が広がる
FPで学ぶ税金・社会保険・保険・不動産などの知識は、給与計算や年末調整、福利厚生制度の理解など経理実務に直結します。
さらにキャッシュフローや資産形成の考え方は財務・経営企画など上位職種へのステップにも有効です。
簿記だけでは補えない“お金の幅広い知識”を身につけられるため、経理の専門性とキャリアの広がりが期待できます。
- FP3級： （勉強時間50〜80時間）
- FP2級： （勉強時間150〜200時間）
簿記2級まで学んだ人は理解しやすいです。
ビジネス会計検定
決算書を「読む力」に特化した資格。簿記が“作る側”だとすると、こちらは“読む側”。
・会社の財務分析（安全性・収益性・効率性）が分かる
・経営者や役員への資料作成ができるようになる
・銀行・監査法人・取引先とのやり取りで役立つ
経理職においてビジネス会計検定は、財務諸表を「読む力」を証明できる資格として非常に有用です。
経営分析や財務状況の把握、取引先の健全性評価、経営者への報告資料作成などに直結し、経理業務の精度と経営判断支援力を高めることができます。
- 3級： （勉強時間20〜40時間）
- 2級： （勉強時間50〜80時間）
- 1級： （勉強時間300〜500時間）
こちらも簿記2級まで学んだ人は理解しやすいですね。
給与計算実務能力検定
人事・総務系の“給与計算”に特化した実務型資格です。
・勤怠管理・社会保険・所得税の理解が深まる
・経理＋労務のスキルを併せ持つ“ハイブリッド人材”になれる
・中小企業では即戦力として非常に重宝される
経理職では、給与計算実務能力検定の資格が直接的に役立ちます。
給与計算や賞与計算、年末調整、社会保険・税金の処理など、日常業務に必要な知識と手順を身につけていることを証明できるため、実務での正確性と効率性が向上します。
特に中小企業やバックオフィス業務では即戦力として評価され、経理・総務の専門性を高める強力な資格となります。
- 2級： （勉強時間50〜100時間）
- 1級： （勉強時間150〜250時間）
実務経験と合わせてアピールできるとGoodです。
MOS（Excel）
“MOS=Microsoft Office Specialist”の実務スキルを証明する資格です。
・簿記で学ぶ仕訳や決算処理は大量の数字を扱うため、Excelスキルがあると効率的に処理できる
・MOSで習得する関数やピボットテーブル、グラフ作成が帳簿集計や財務分析に直結
・簿記の知識を“実務で使える力”に変える橋渡しになる
経理は「エクセルを使えるか」で仕事の速さが大きく変わる職種。簿記さえ持っていれば良いわけではなく、Excelスキルがあるだけで即戦力度が上がります。
Excelを中心に、関数・ピボットテーブル・グラフ作成などのスキルを客観的に証明できるため、仕訳入力や帳簿管理、財務データの集計・分析、報告書作成などの業務効率が大幅に向上します。
資格取得により、実務でのスピードと正確性をアピールできます。
- 一般レベル： （勉強時間50〜80時間）
- 上級レベル： （勉強時間150〜200時間）
実務でエクセルは必ず使うので、扱いに慣れておくとスピーディーに仕事ができます。
ITパスポート
ビジネスで必要なITの基礎知識を学ぶ資格で、会計システムやセキュリティの基礎を学ぶのに役立ちます。
・ITパスポートは、会計システムやセキュリティの基礎を学びやすい資格です。
経理職においてITパスポート資格は、会計・財務業務の効率化や経理DXの理解に役立ちます。
最近はクラウド会計、RPA、ERPなど DX（デジタル化） が急速に進行しています。ITツールの基礎知識を身につけることで、業務の自動化やデータ管理をスムーズに行えるようになります。
また、情報セキュリティやシステム管理の知識は、財務データの安全な取り扱いや経営者への報告資料作成にも応用でき、経理業務の精度と効率を高める武器となります。
- ITパスポート： （勉強時間40〜60時間）
勉強時間のコツについて、下記の記事で詳しく解説しています。
ITパスポートは無料の勉強教材が充実しているので、独学におすすめです！
簿記2級を土台に 税務・会計のプロフェッショナル を目指す道です。
専門性が高いため難易度は上がりますが、そのぶんキャリア価値は非常に高く、独立も可能な分野です。
簿記1級
日商簿記の最上位資格。
大学の会計学レベルまで踏み込み、税理士・会計士を目指す人のスタンダードな登竜門です。
・税理士試験の「受験資格」になる
・会計事務所への就職に強い
商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目を総合的に学びます。
経理の即戦力向上だけでなく、税理士試験の受験資格にもつながるため、専門職を目指す人の重要なステップになります。
- 簿記1級： （勉強時間500〜800時間）
簿記2級からは一段大きなジャンプになるので、予備校利用が一般的です。
税理士
税務の最高峰の国家資格のひとつ。
簿記論・財務諸表論（必須）と、法人税・所得税・相続税などから選択する税法科目で構成され、5科目合格で税理士資格を取得できます。
・独立・開業が可能になる
・会計事務所・企業税務部門で高く評価される
・収入・キャリアの上限が大きく上がる
税理士は、税務の専門家として企業や個人の税金に関する業務を行う国家資格です。
主な仕事は、税務申告の代理、税務相談、税務書類の作成などで、税務に関する唯一の独占業務を持つ点が特徴です。 高い専門性・安定した需要・独立開業の可能性 がある、会計系で最も強力なキャリア資格の一つです。
- 全科目合計： （勉強時間2,500〜4,000時間）
1つずつ科目合格を目指して勉強を進めることができます。
公認会計士
会計・監査のプロフェッショナル。
税理士よりも範囲は広く、上場企業の財務諸表監査を行う数少ない国家資格です。
・監査法人での高収入キャリアを目指せる
・コンサル・投資銀行・上場企業での需要が非常に高い
主な業務は、企業の財務諸表をチェックする「監査業務」を中心に、コンサルティング、内部統制、M&A支援など幅広い分野で活躍できます。
一度資格を取得すれば、監査法人・一般企業の経理財務・コンサル業界・独立開業など、多様なキャリア選択が可能になる強力な専門資格です。
「日本3大国家資格」の1つに数えられるほどで、難易度は最高峰レベルです。
- 全科目合計： （勉強時間2,500〜3,500時間）
公認会計士資格の合格で、税理士資格も同時に取得できます。
「資格より実務を優先したい」「実際に経理の仕事をやってみたい」
そんな人に最も現実的で即戦力につながるルートです。
実務経験は“資格以上の価値”がある
企業の経理では、実務経験が何より重視されます。
採用担当者の評価は下記のようなイメージです：
- 実務経験 ＞ 資格（簿記2級など）
- 年次決算や仕訳経験 → 転職市場で強い
- 「伝票入力しかしたことない」でも実務は大きな武器
簿記の知識を実際に使うことで、理解が一気に深まり、簿記2級・1級の勉強もスムーズになります。
経理未経験でも十分チャンスがある
簿記3級があれば、未経験でも採用してくれる企業は多いです。
特に以下の職種は入りやすいです：
- 経理アシスタント
- 会計事務所の補助スタッフ
- 総務・バックオフィス兼務で経理サポート
- 派遣・アルバイト経理スタッフ
実務の入口としては十分です。
実務経験から身につくスキル
簿記の資格勉強だけでは学べない重要スキルが習得できます。
- 会計ソフトの操作（freee、マネフォ、弥生など）
- 請求書発行・入金確認・支払処理
- 月次・年次決算の流れ
- 税理士とのやり取り
- Excelでの集計・分析スキル
これらは転職市場で「即戦力」として高評価です。
経理の資格ロードマップは目指す働き方で向いているタイプが異なります。自分の性格やキャリアの方向性に合わせて選ぶことで、最短で成長できます。
| ルート | 向いている人の特徴 |
|---|---|
| ルートA 経理の“幅”を広げる資格をとるタイプ | ・まずは経理の守備範囲を広くしたい人 仕訳・決算だけでなく、給与計算や財務分析、ITリテラシーなど総合的にスキルを伸ばしたいタイプ。 ・転職市場での“実務能力の証明”を増やしたい人 MOS、ビジネス会計検定、給与計算検定、ITパスポートなど、職務内容と直結した即戦力系の資格で評価を高めたい。 ・上位資格の前に実務系スキルを固めたい人 税理士や会計士はまだ早い…という人でも着実にステップアップが見える。 ・中小企業で幅広い業務を担当する経理を目指す人 経理総務を兼務するケースで特に役立つ。 |
| ルートB 税務の専門家を目指すタイプ（税理士・会計士） | ・専門性でキャリアを作りたい人 「経理＋税務」「会計のプロ」として高い専門スキルを持ちたい人向け。 ・将来は独立も視野に入れている人 税理士・会計士は独立開業して顧客を持つキャリアも可能。 ・勉強にしっかり時間を投資できる人 1,000〜数千時間という長期勉強に耐える集中力が必要。 ・年収アップ・専門職としての地位向上を狙う人 管理職・経営層に近いポジションを目指す場合にも有効。 ・理論や法律を学ぶのが苦にならない人 数字だけでなく、税法・会計基準など文章理解が得意な人に向く。 |
| ルートC まずは実務経験を積むタイプ | ・資格より実務経験を早く積みたい人 「資格より、まずは現場で覚えるほうが合ってる」というタイプ。 ・20代の早いうちに経理キャリアをスタートしたい人 未経験でも採用されやすい時期に、経験を最優先する戦略。 ・仕事をしながら段階的に資格をとりたい人 働きつつ簿記2級・ビジ会・MOSなどを徐々に追加していける。 ・手を動かしながら覚えるのが得意な人 実務を通したインプットのほうが理解しやすいタイプに最適。 ・転職で“経験者枠”を狙いたい人 資格より経験が重視される求人で有利になる。 |
一度自分のキャリアパスや目標を見直してみましょう！
簿記3級はスタート地点。その先の進み方は、目指すキャリアによって変わります。
- 王道は 簿記2級を目指します。その後の進み方が分岐します。
- 経理の幅を広げるなら FP や Excel
- 専門家を目指すなら 簿記1級 → 税理士・会計士
- 実務経験に進むのも強いルート
自分がどんな働き方をしたいのかを考え、最適なルートを選んでいきましょう。
ロードマップの全体像がイメージできて、やる気が出てきました！
いいですね。何ごとも目標設定が大切です。モチベーション継続のために明確にしておきましょう！
以上です！
簿記3級の勉強方法：
資格勉強の時間を生み出すコツ：
簿記3級に不合格から逆転合格する方法：
